管理栄養士からのメッセージ

最近の栄養指導の例を1例あげてみます。

■重度肥満であり糖尿病を合併している患者様C氏(女性60歳代、身長148cm、DW76.4kg)におかれまして下肢関節痛を伴っております。H21年8月透析スタート時にはDW58.0kgから4年弱でじわじわ太り続け、年間平均5.0kg増となりました。この間幾度か1週間の食事摂取量内容全てを記録して頂き指導をして参りました。食事記録をもとに1日平均摂取量を計算致しました。計算上の総エネルギーは1000Kcal未満であり値はあまり高くはありませんが、HbA1cは7.3%と高い数値でございます。炭水化物の比率が高く、野菜がお好きではないことと、ほとんど調理をなさらないことにより野菜摂取量が非常に少ない状態でございます。ちなみに、計算上、1日平均蛋白質34.5g、カリウム760mg、リン410mgとなっております。調理することも困難であるため食事改善として栄養コントロール宅配弁当を利用して頂くようになりました。
昼食に1食500Kcalのお弁当を、なお昼食の米飯半分しか召し上がれず、半分分けておいた米飯は夕食の主食として利用致します。なお夕食は1食400Kcalの副菜のみ利用しておられます。野菜を補う目的と共に食前に服用することによる食欲抑制を期待して食物繊維含有食品を昼食前に1袋飲んで頂くことに致しました。口寂しい時はノンカロリーの飴を1個摂取して頂いております。

この療法を昨年5月からスタートし、8ヶ月の間76.4kgを保つことができました。しかしながら、今年に入り1月・2月中は2日に1袋の割合の摂取となり、H26年2月末現在DW77.2kgまでじわじわと太って参りました。経口血糖降下剤も服用しつつ再び食物繊維含有食品を1日1袋を飲んで頂くよう指導致しました。HD間の体重増加も減り、HbA1cは6.6%に低下して参りました。
ちなみに、この食物繊維含有食品1袋25g中にレタス2.5個分の食物繊維が含まれております。患者様の協力及び努力により、食物繊維含有食品と栄養コントロール宅配弁当の適切量が有効であったよい症例であると思います。

 

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当院中庭の五分咲きしだれ梅(3月上旬)