管理栄養士からのメッセージ

味の濃いものを召し上がったり、食事量が多くなりますと当然塩分過多となります。塩分は水分を呼び込んでしまいますので控えめに致しましょう。


血液の塩分濃度は0.9%に保たれています。血液中の水分100g中には塩分0.9gが含まれております。透析患者様の塩分摂取量は平均6gを目標としております。1日に食事から塩分6gを摂取しますと水分量は約700ccとなります。


食材に含まれる塩分と調理に使用する調味料の塩分を合わせて6gとします。料理を作る際まず調味料を量り、食塩相当量1日トータル6gに抑える味付けを身につけ、味に慣れていきましょう。塩分の多い練り物、ハムやその他加工食品などはなるべく少なめに致しましょう。新鮮な食材、だしの工夫や香辛料の使い方で低塩分でも美味しく頂けるように致しましょう。 

管理栄養士からのメッセージ

■寒い時期は食事のエネルギーを使って熱を発し、体温を保ちます。春になり暖かくなって参りますと、真冬の寒い時より、寒さをしのぐためのエネルギーは少なくて済みます。冬と同量の食事を摂っていましたら、カロリーオーバーとなり太ってしまいます。摂取カロリーを減らしていきましょう。

ここのところ暖かく、気温は10~20度となり、初夏の気候に近づいて参りました。どんどん汗をかく季節でもありませんので、飲水量も増えすぎないように気をつけましょう。

管理栄養士からのメッセージ

最近の栄養指導の例を1例あげてみます。

■重度肥満であり糖尿病を合併している患者様C氏(女性60歳代、身長148cm、DW76.4kg)におかれまして下肢関節痛を伴っております。H21年8月透析スタート時にはDW58.0kgから4年弱でじわじわ太り続け、年間平均5.0kg増となりました。この間幾度か1週間の食事摂取量内容全てを記録して頂き指導をして参りました。食事記録をもとに1日平均摂取量を計算致しました。計算上の総エネルギーは1000Kcal未満であり値はあまり高くはありませんが、HbA1cは7.3%と高い数値でございます。炭水化物の比率が高く、野菜がお好きではないことと、ほとんど調理をなさらないことにより野菜摂取量が非常に少ない状態でございます。ちなみに、計算上、1日平均蛋白質34.5g、カリウム760mg、リン410mgとなっております。調理することも困難であるため食事改善として栄養コントロール宅配弁当を利用して頂くようになりました。
昼食に1食500Kcalのお弁当を、なお昼食の米飯半分しか召し上がれず、半分分けておいた米飯は夕食の主食として利用致します。なお夕食は1食400Kcalの副菜のみ利用しておられます。野菜を補う目的と共に食前に服用することによる食欲抑制を期待して食物繊維含有食品を昼食前に1袋飲んで頂くことに致しました。口寂しい時はノンカロリーの飴を1個摂取して頂いております。

この療法を昨年5月からスタートし、8ヶ月の間76.4kgを保つことができました。しかしながら、今年に入り1月・2月中は2日に1袋の割合の摂取となり、H26年2月末現在DW77.2kgまでじわじわと太って参りました。経口血糖降下剤も服用しつつ再び食物繊維含有食品を1日1袋を飲んで頂くよう指導致しました。HD間の体重増加も減り、HbA1cは6.6%に低下して参りました。
ちなみに、この食物繊維含有食品1袋25g中にレタス2.5個分の食物繊維が含まれております。患者様の協力及び努力により、食物繊維含有食品と栄養コントロール宅配弁当の適切量が有効であったよい症例であると思います。

 

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当院中庭の五分咲きしだれ梅(3月上旬)

冬の水分管理

 気温の低い冬には体温を保つエネルギーが必要です。

 人は食事を摂らなくても、体に蓄積されている脂肪分や糖分を燃やし(代謝と言います)熱を生み出します。その結果水が発生致します。これを代謝水と言います。代謝水は、ちなみに100Kcal当たり約13ml発生すると言われております。透析の患者様におかれましては、飲水以外に発生する体内の水分も透析で除水しなくてはなりません。食事の約85%は水分でございます。さらに余分にお茶・水・コーヒー・紅茶やアルコールなどを摂取しますと透析間の体重はさらに増加致します。夏と違い発汗量も少ないですので、極力水分を控えましょう。