管理栄養士からのメッセージ

蛋白質と透析

 

 リンを過剰に摂取し、透析で除去出来ないリンは高リン血症となり、血液中のカルシウムと結合し関節や身体中の血管壁に石灰化して参ります。虚血性心疾患を引き起こし、心筋梗塞や狭心症を引き起こす恐れがあります。なお、身体のあちらこちらに痒みが現れて参ります。過剰なリンは副甲状腺ホルモンの分泌を促進し、二次性副甲状腺機能亢進症となり骨がもろくなってまいります。

 蛋白質を適量摂るように致しましょう。肉魚のうちリンの値の少ないものとして、肉の部位によりますが、100g中およそ100~160㎎のリンが含まれております。レバーは牛・豚・鶏共にリンの含有量は高値です。少量に致しましょう。魚でしたら、ぶり(130㎎)、あんこう・貝類(140㎎)、たちうお(150㎎)、さば・鯛(160㎎)、かれい(180㎎)、あじ(190㎎)など。逆にリンの値の多い魚としては小骨の多いもの、丸ごと食べられる小魚、干物やはまち(300㎎)、鮎(310㎎)と魚によりリンの含有量が変わって参りますので気を付けましょう。ハム類も身が圧縮しておりますのでリンの値は310㎎、なおナトリウムも1100㎎と高値になります。召し上がる時は気を付けましょう。

 なお、肉魚を多めに召し上がる時は卵、豆類(豆腐や揚げも含む)や乳製品の量を控えましょう。

 一般的に、高齢者の場合蛋白質が不足しがちになります。積極的に摂るよう工夫致しましょう。透析の場合ダイアライザーから蛋白質(アルブミン)が漏出します。これは蛋白質不足の原因の一つになります。

 10月に入り涼しくなり発汗量が減って参ります。その分飲水を減らしていくよう努力致しましょう。